加積りんごの主力品種「ふじ」の美味しさの秘密は、「味の濃さ」「甘味」「香り」「酸味」「食感」のバランスの良さにあります。
一般的に「ふじ」は、味が濃く甘いりんごとして有名ですが、加積りんごの「ふじ」は他地域産のものと比べ、より味が濃く甘いと言われます。さらに特徴的なのは、「酸味」と「香り」にあります。
加積りんごのふるさと富山県魚津市は、国内りんご栽培地域の中でも最南端に位置しています。りんご産地としては気候が温暖で、県外の主産県と比べて開花から収穫までの日数が長いのが特徴。東北地区の産地と比べると1ヶ月ほど長い栽培期間です。
寒い地方では実の凍結を避けるため、比較的早めに収穫せざるを得ないところ、加積のふじは限界まで完熟を待って収穫します。収穫は、開花から200日ほど経った、北アルプスに雪が積もり始める11月上旬から始まり、平野部にまで雪が降りてくる12月下旬まで。
このように、他県より樹上での栽培期間が長いため、地中からの栄養分をたっぷり吸収し、味が濃く、甘味やうま味が凝縮されたジューシーなりんごになります。さらに、りんごは、よく熟したものほどよい香りを出す・・・・と言われるように、香りも大変良いのです。 「質の高い酸味」と「シャキシャキとした食感」も加積りんごの特徴です。
「ふじ」は甘味が特に注目されますが、本当に美味しいと言われるりんごは「酸味」と「食感」が伴います。加積りんご「ふじ」は、一年を通して豊かな清流の流域で栽培されていることや、特徴的な土壌によって、「質の高い酸味」と「食感」が備わります。
このように、加積りんごの「ふじ」は、人間の5つの基本味と言われる内の、「甘味」「うま味」「酸味」が絶妙のバランスで備わった美味しいりんごとして、多くの根強いファンを獲得しています。また、隠れた逸品として、歴代著名政治家や芸能人にも愛食されています。
「蜃気楼」で知られている魚津市は、富山を代表するりんご生産地です。その中でも特に魚津市加積地区は、1905年(明治38年)の植栽から100年を超える栽培の歴史があります。戦時中の伐採、度重なる雪害、台風被害など、多くの困難を乗り越え、りんご生産地としては日本最南端に位置すると言われる、富山県に適した栽培技術の研鑽に努め、品質の向上等を図ってきました。
加積地区で作られる「加積りんご」は、品質管理の徹底や、作付面積に制約があるため、年間生産量が限られています。さらに、生産されるりんごの9割近くが生産者の庭先で販売されており、地元スーパーなどにも出回る量が極めて少ないりんごです(一部贈答用としてデパートなどで取り扱い)。
加積りんご組合では、加積りんごのブランド化を推進するために、以下のような取り組みを行っています。
※エコファーマーとは
1999年(平成11年)に施行された「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」に基づき、たい肥等を活用した土づくりと化学肥料・農薬の使用の低減を一体的に行う環境にやさしい農業に取り組む農業者(個人または法人)を県が認定し支援する制度。